幸せをめぐる冒険  プノンペンの銃声

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プノンペンの銃声

 2008-08-26
2000年 春。
シェムリアップからプノンペンへ、トレンサップ湖をボートで移動することにした。カンボジアはなんとなく危険というイメージがあったのだけど、それを実感する出来事が起きた。
僕が乗ったボートの次の便に乗っていた人たちが水賊(?)に襲われていたのだ。
宿の下のレストランで、被害に遭った日本人行者に偶然会って話を色々聞いた。
湖のどこかから銃声が聞こえてきたと思ったら水賊のボートが近づいてきて、ボートを止められた後に紙袋を被せられ手を後ろで結ばれたそうだ。
中には騒いでいた外国人行者がいて、銃声が聞こえてきたときには殺されたのかと思ったらしい。それは威嚇射撃で、負傷者は誰もいなかったとのことだけど現金等を取られてしまったとのこと。ここらをするのは貧乏行者が多いので、その人は取られたといっても現金は2,3万円分と言っていた。
ありえない体験だったというのと、ちょっと前までNHKの取材に応じていたらしく興奮していた。

プノンペンの行者はこれまであった人たちと雰囲気が違う。
長期滞在している人が多くて、言ってしまうとドラッグか売春目的の人が多い。
一人をしている人たちの間では、よく「沈没」という言葉が使われる。
沈没とは、「気に入った場所に長くとどまってしまって動けなくなってしまうこと。」を意味している。理由は色々あれど。
7/28のブログでちょっと書いたけど、僕のは基本的に移動なので沈没といっても2週間同じところにいたことは無いと思う。

宿の下では毎日、バイタク(バイクタクシー)のおっちゃんや兄ちゃんが

「ドラッグ? ガール? ガン?」

と聞いてくる。ということで、銃と手榴弾を試しに行きました。
200003_cambodia5 ライフルです。

200003_cambodia6 拳銃です。

200003_cambodia7 手榴弾を投げ込んだ湖です。

どっちもおもちゃみたいで、ライフルは打ったときの反動が結構あるんだなぁってくらい。
ライフルも銃もなんとか的に当てることが出来ました。
手榴弾はどのタイミングで爆発するのかちょっと怖かったけど。
誰でも簡単に扱える代物なんだなと思ったその日の夜、泊まった宿で寝ていると銃声が2回聞こえてきました。

この町で他に観光っぽいことといえばトゥールスレン博物館に行くか、映画にもなったキリング・フィールドに行くか、マーケットをぶらつくかくらいだ。
ただ、トゥールスレン博物館に行くことが観光と言えるのかは分からない。博物館という名前はついていますが、当時収容所だった場所です。
ほんの30年前この国では、ポル・ポト政権による大虐殺が行われました。もともとは小学校だった建物を、拷問を行ったり、収容する場所として使われたのがトゥールスレン収容所です。

ここに収容された人は記録に残っているだけでも2万人以上いて、生きて出ることができたのは6人となっている。当時のままの独房や、拷問に使用した器具、犠牲者の写真や遺品などが展示されていて、最後には頭蓋骨で作ったカンボジアの地図があった。
なぜこんな頭蓋骨の地図を展示するんだろう、と単純に思った。こうした現実があったことを世界に見てもらうためなのだろうか。

収容所の中は当時のまま時間が止まっているようだった。
この場所で多くの人たちが死んでいったこと、このとき埋められた地雷で今も苦しんでいる人たちがいること。過去と現実を見て、さて未来はと思うとなかなか明るい絵は見えてこなかった。
その理由は、内戦による爪痕のせいだ。
内戦は簡単に答えを出すことができない問題で満ちている。

社会人になってベトナムに行くことがあったのだけど、ベトナムには当時の日本を彷彿させる復興のパワーが感じられた。当時の日本は知らないけど・・
同じ終戦にしてもどこかの国と戦争していたのと内戦では、復興に注がれるエネルギーといい、ベクトルに差が出るのではないのだろうか。
(ベトナム戦争は内戦のようで、実際はアメリカとベトナム社会主義の戦争です。)
2000年のプノンペンには何か疲労感のようなものが漂っていた。今はどうなっているのだろう。

あの頃は今書いているようなことを頭で考えられていたか疑問だけど、確かに何か感じていた。
収容所を出て歩きだすと、しばらく忘れていた暑さとか、音とか、意識が戻ってきた。
振り返った時、ラインの向こうにあった空気は何かを訴えるでもなく、ひっそりと存在していた。



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